活動報告
2024年度の活動
2024年度は二つの施策「研究助成活動」と「産学交流プロモーショナル・マーケティング・フォーラム」に取り組みました。
(1)「研究助成」事業
2024年度、「研究助成活動」は18回目を迎え、多様な角度から研究テーマが寄せられ、学術研究論文6点、実務研究論文3点、研究レポート1点、計10 点に助成を行いました。
2024年度研究助成論文発表会は、2025年3月10日(月)オンラインで開催しました。
査読付き論文を掲載する論文集「プロモーショナル・マーケティング研究・vol.18」は、2025年10月に発行する予定です。
日本プロモーショナル・マーケティング学会研究助成論文発表会
的確かつ高度なプロモーショナル・マーケティング活動を実現するため、学会と産業界が一体となり研究を推進し論文を募集。年1回の研究助成論文報告会に参加いただけます。
2023年度の助成論文は、以下からご欄になれます。
https://jpm-inc.jp/society/archive/year2023/
(2)「産学交流プロモーショナル・マーケティング・フォーラム」の実施
産学共同による研究と産学との交流をより広く現実的な形で推進するため、2024年度は「産学交流プロモーショナル・マーケティング・フォーラム」として、1.「基調講演」と2.「次世代マーケティング・チャレンジ・コンテスト」の2部構成で、2024年10月8日(火)日本印刷会館の会議室で開催されました。
1.基調講演
①基調講演(45分)
【 登 壇 者 】株式会社ロイヤリティマーケティング 代表取締役副社長 中西荘八
【講演テーマ】 「Pontaと共創するプロモーションの未来像」
共通ポイント「Ponta」は会員ニーズに応えるサービス提供を続け、来年15周年を迎え、競争環境が激化するポイント業界を俯瞰しつつ、さらなる価値創造に向けたポイントビジネスの展開、そして1億人超の会員基盤を通じて蓄積するデータを活用したマーケティング支援について解説頂きました。企業が直面するプロモーション課題に、実践的なアプローチのヒントとなる情報を提供頂きました。
②基調講演を基としたパネルディスカッション(45分)
【パネリストメンバー5名 】
・ロイヤリティマーケティング/中西荘八 代表取締役副社長
・江崎グリコ/岩川 透 セールス本部 ショッパー企画室 室長
・流研/山﨑 泰弘 公益財団法人流通経済研究所 常務理事
・電通リテールマーケティング/根本 淳COO
・司会進行:中村 博 中央大学 大学院 戦略経営研究科 教授
ポイントビジネスの未来に向かう構想は、クライアントのマーケティング活動に、そして、プロモーション企業の活動に、どのようなインパクトを与えるかについて、議論を展開して頂きました。
2.「次世代マーケティング・チャレンジ・コンテスト」
プロモーション業界の次世代を担う若手を対象として、近未来のマーケティング展開やプロモーション産業の活性化にチャレンジする「次世代マーケティング・チャレンジ・コンテスト」を実施しました。<学生の部>3点、<一般の部>8点について、各々5分間のプレゼンテーションがありその後、参加者と審査員が発表者を取り囲んで質疑を行うポスターセッションが行われました。この間、実務界と学術界の審査員10名による審査が行われ、下記の通り、受賞作品3点が選定されました。
<学生の部> ベストチャレンジ賞
テーマ:「若年層向け着圧ソックスマーケ ティングの実証研究」
~RsEsPsモデルに基づいたマーケティング検討~
受賞者:大妻女子大学/上原朋子氏、時松希実氏、大野鈴夏氏
消費者は初めて商品を購買する際大きな不安(知覚リスク)を感じるため、その知覚リスクを払拭するプロモーションのあり方が問われることに着目した。3つの知覚リスクと3つの動画表現について、購買行動モデルRsEsPsに基づいた効果性の検証を行い、各フェーズに最適なプロモーション訴求の方法を提案した。ECサイトで展開する商品の開発から携わり、具体的な売り方にまで言及する研究が高く評価された。
<一般の部> ベストチャレンジ賞
テーマ:『空き(あき)コマ広告』~BtoB 企業のための大学生向けプロモーション
受賞者:大日本印刷 北川もえ氏
一般的に、BtoC企業に比べBtoB企業の認知度は低く、就活の対象とはなりにくいという課題を抱えるBtoB企業に提案を試みる「空きコマ広告」の展開。学生の必需品「時間割アプリ」の空き枠(空きコマ)を活用し、BtoB企業と学生とのマッチングを図ろうというもの。ゲーム性の高いコンテンツデザインを採用することで、学生にとっての日常的なアプリを企業との接点づくりの愉快なツールに変える独自性が高く評価された。
<一般の部> 佳作
テーマ:『シン・リアル』~私たちが描く “真の”豊かなショッピング体験と は ? ~」
受賞者:スピン/有田美香氏、七海麻 里亜氏、川上真由美氏、中嶋 凌佑氏、中山風薫氏
オンラインションピングが勢いを増す中、店頭にわざわざ足を運ぼうとする「リアルショッピング」の魅力とは何かを追求。日常の生活や業務の体験に基づき5つの価値を抽出し、その根本は「人間本来の豊かさを取り戻す」ことにあると定義づける。5つの価値と6つの業務領域を組み合わせることで、新たなプロモーションの可能性や課題解決領域の広がりなど、その展望を提示したことが評価された。
なお、3作品については、11月28日(木)に実施された「JPMショー」のステージセッションで、一般の来場者向けにプレゼンテーションが行われた後、表彰式で中村博学会長より賞状が授与されました。